今日、組合活動ホールの片づけをしていた診療所スタッフの上田さんが、昔の資料を見つけてくれました。一時は、どこかに紛失してしまったと諦めていた、昔の記録です。
伊勢民主診療所の内山勝之先生は、2024年4月末をもちまして、外来診療を終了いたします(※訪問・往診は継続いたします)が、その内山先生は伊勢民主診療所の開設後半年のあのころ(昭和51年10月20日)、伊勢民主診療所の所長でいらっしゃいました。
何かのご縁でしょうか。
そのときの内山先生の記事が、いまになって出てきたのは。
とても感慨深いものがあります。この場を借りて、みなさまにもご紹介いたします。
~診察室から~
所長 内山 勝之
診療所が開設されてから半年すぎました。私達は『患者の立場にたった親切で良い医療』をめざして、予防活動や、もし病気になっても早いうちにみつけ早く治し、丈夫で長生きする運動と、病院の外来と同じように充分な設備をもって色々な検査ができるようにと努力してきました。
その一つとして9月初めより胃カメラをはじめました。現在日本の死亡順位は1位脳血管障害(脳出血、脳血栓等)2位悪性新生物(癌等)そのうち胃癌が最もおおいわけです。癌は恐ろしいものですが、早く発見すれば胃潰瘍と同じように外科的になおす事ができますから、最も大切なことはいかにして早くみつけるかという事になります。手遅れの胃癌でも半数はほとんど自覚症状はないといいますから自覚症状にたよることはできません。手遅れの胃癌を防ぐ最も良い方法は、40才をすぎれば少なくとも年一回は胃透視をうけ、少しでも疑わしい所があれば胃カメラをして診断をたしかなものにするという事になります。
私達も積極的に胃透視、胃カメラをしたいと考え、9月に21名の胃透視、6名の胃カメラをしましたが、幸いにして悪い結果の人はいませんでした。まだ苦しい、えらいという理由で胃カメラをいやがる人がおおいのですが、正しい診断のためにはぜひ必要と思います。
病気を早くみつける運動をすすめましょう。
当時と今とでは、伊勢民主診療所の設備面で異なることもありますし、医療をめぐる状況も日々、変化していっていますが、当時の表現のまま、ここに転載させていただきました。
みんなで作ってきた診療所、それが伊勢民主診療所。
伊勢の医療生協から、伊勢民主診療所に引き続き、また新しい事業所が生まれ、新しい人が加わり、そして、また新しい時代へと、つながりが広がっていく。
伊勢の医療生協の活動に、終わりはありません。
伊勢民主診療所も、新しいステージへと向かっていきます。
引き続き、よろしくお願いいたします。
2024年4月号の伊勢地域ニュースは、長年、伊勢民主診療所でご活躍された内山先生への感謝をこめて、内山先生の大特集号となっています。みなさまも、その歴史を感じつつ、下のダウンロードボタンから、ぜひ記事をご覧ください。