2024年4月1日から、伊勢市で帯状疱疹ワクチンの接種費用の一部助成が開始されたのはご存知ですか?
帯状疱疹は80歳までに、3人に1人が発症するといわれる身近な病気です。水ぼうそうにかかったことがある人は、誰でもかかる可能性があります。ワクチンがあっても、接種費用が高いことに悩まれた方もおられたと思います。助成を活用して、接種がまだの方はご検討ください。
<対象者>
接種時に伊勢市に住民登録がある50歳以上の人
<助成の受け方>
接種前に伊勢市健康福祉部健康課へ申請が必要です。
申請方法など、その他詳細は伊勢市健康福祉部健康課のホームページをご確認ください。
「帯状疱疹ってなに?」「聞いたことはあるけど…」という方は、伊勢民主診療所・所長の荒木先生が帯状疱疹について、過去にまとめていただいた記事をご紹介させていただきます。(みえ医療福祉生活協同組合「伊勢地域ニュース」2022年8月号より)
3人に1人かかる身近な病気
帯状疱疹という病気をご存じですか?80歳までに、3人に1人が発症するといわれる身近な病気です。しかし新型コロナウイルス感染症が流行りだしてから、帯状疱疹の患者さんは、今まで以上に増えているように感じます。帯状に痛みやかゆみを伴う発疹、後遺症として1年以上続くこともある神経痛が患者さんを悩ませます。この病気は水ぼうそうにかかったことがある人は、誰でもかかる可能性があります。水ぼうそうのブツブツが治まった後も、ウイルスは背骨近くの神経のかたまりにずっと潜んでいます。静かにしていてくれれば何も問題ありませんが、加齢やストレスで免疫力が低下するとウイルスが再び暴れだし、神経に痛みを起こしながら、皮膚に向かって進み、発疹を作って帯状疱疹として発症します。コロナ禍でもあり、みなさん色々なストレスを感じているはずです。そのストレスも解消できず、過ごされているのではないでしょうか。そうすると知らず知らずのうちに免疫力も低下し、帯状疱疹が発症してしまうのです。
治療のカギは早期発見
発症しても抗ウイルス薬が特効薬としてあり、ウイルスが増えすぎる前に治療開始できれば、皮膚症状や後遺症を少なくできます。早期発見が大切ですが、これがなかなか難しいです。いきなり発疹が出るわけではなく、発疹が出る前に神経に沿って皮膚の痛みや違和感が出ることが多いです。特に体の片側や一部分に感じたら要注意。帯状疱疹なら痛みが出て、数日から1週間以内に発疹が出ます。発疹が出たらすぐに診療所に受診しましょう。本当にあっという間に発疹は広がってしまいます。
ワクチンで予防しよう!
早期発見が困難な帯状疱疹ですが、ワクチンで予防できます。50歳以上が対象で、2種類ワクチンがあります。一つは子供の水ぼうそう予防ワクチンと同じ物です。(水痘生ワクチン)予防効果は50%程で、5年過ぎると効果が低下していきます。もう一つは2020年から実用したワクチンです。(通称:シングリックス) 2回接種が必要ですが、効果は90%以上と高く、効果の低下が少ないので、今のところ追加接種は不要とされています。ただ費用は4万円と高額です。安全性は確かですが、注射部位の痛み、だるさ、頭痛、発熱などコロナワクチンと似た副反応が出ます。
ではどちらを接種すべきか。水痘生ワクチンは若い人にそれなりの効果が期待できますが、高齢者は効果が乏しいとされています。シングリックスは、70歳以上にも予防効果が高く、費用が許すのであれば、多少の副反応はあっても70歳以上の方はシングリックスが良いのではないかと、僕自身は考えています。帯状疱疹の患者さんは本当に増えています。ワクチンで予防できる病気ですので、ぜひ接種をご検討頂きたいです。
伊勢民主診療所で帯状疱疹のワクチン接種をご相談したい方は
☎0596-24-7156まで